血液サラサラ総合療法

 中国医学では血には滋潤作用があり、体の中を流れる血には肌や髪、目、爪、筋肉、内臓など全身に栄養と潤いを与える働きがあると考えています。サラサラと流れがスムーズであり、かつ全身を活性化させる機能を持った血液であることが大切です。この血液が汚れて流れが悪いといろいろな病気になりやすくなります。漢方医学ではこのような流れの悪い血液を「血」といっています。この「血」の考え方は2000年以上前からあり、現在までの経験や研究により様々な原因があることがわかっています。様々な原因がある以上は、1つの食品や薬草だけでは不十分です。本当に血液サラサラになるためには、体質に合わせた総合的な対策が欠かせません。以下に血液が汚れて血になる主なタイプを6つあげてみます。

@)元気不足タイプ 漢方医学では気は血液を推動して巡らせる働きがあります。気が不足して疲れやすい方は血液の流れも悪くなります。このような方は気虚血といわれ、気を補いながら血液をサラサラにします。
A)貧血タイプ 血液の中の赤血球などが少なく血が薄い状態です。一見血液がサラサラと思いがちですが、実は栄養や酸素をを全身に送ることができません。このような方は血虚血といわれ、血球の数を増やして流れを良くします。
B)冷えタイプ 血液は冷えを受けるとスムーズに流れなくなります。慢性的に冷えを受ける環境にあったり、冷え性の体質などが原因となります。このような方は陽虚血といわれ、温めながら血液をサラサラにします。
C)かさかさタイプ 血液の中には多くの水分が含まれています。この水分が不足すると血液が濃縮された状態となり、流れが渋滞します。このような方は陰虚血といわれ、水を補いながら血液をサラサラにします。
D)イライラタイプ ストレスを受けると気の流れが悪くなります。気が滞り血管が緊張して、血液もスムーズに流れなくなります。このような方は気滞血とよばれ、気のめぐりを良くして血液をサラサラにします。
E)ため込みタイプ 血液の中に余分なコレステロールや中性脂肪がたまっている状態です。血液が濃くドロドロして血液も流れにくくなっています。このような方は痰湿血とよばれ、痰湿を洗い流して血液をサラサラにします。


 さて血液をサラサラにする薬草は丹参、当帰、桃仁、紅花、川、赤芍、我朮、牡丹皮、田七、イチョウ葉、松葉などがあり、漢方薬としては冠元顆粒、血府逐湯、松寿仙などがよく使われます。これらの薬草や漢方薬で血液をサラサラにしていくときに、単独でたくさん飲むのではなく、以下の表のように体質別に併用薬を工夫すると根本的な改善になります。また日常生活や食養生も体質により異なりますので、体質別に対策することが望ましいといえます。
血のタイプ おもな症状 原因 対策 併用する
漢方薬
気虚(元気不足タイプ) 疲れやすい、息切れ、汗をかきやすい、風邪をひきやすい、食欲不振 虚弱体質、過労栄養不足、老化 十分な休養、適度な運動、雑穀や根菜類の煮物などを多く食べる。 人参、黄耆、補中益気湯、衛益顆粒、六君子湯、麦味参顆粒など
血虚(貧血タイプ) 血色が悪い、皮膚に艶がない、動悸、立ちくらみ、目の疲れ 栄養不足、偏食出血過多、造血機能の障害 夜更かしを避ける、鉄分の多いレバーや緑黄色野菜を多く食べる。 当帰、熟地黄、婦宝当帰膠、十全大補湯、帰脾湯など
陽虚(冷えタイプ) 手足が冷える、寒がり、トイレが近い、元気がない、低体温 冷たいものの摂りすぎ、冷えの多い環境、冷え症の体質 薄着を避ける、ゆっくり入浴をする、生物や冷たい物を避ける 鹿茸、附子、八味丸、海馬補腎丸参茸補血丸など
陰虚(かさかさタイプ) 口や喉が乾く、手足のほてり、のぼせ、皮膚の乾燥感 発汗過多、高熱下痢などによる脱水、慢性疾患による体液消耗 長風呂や発汗過多を避ける、辛い物を避ける、旬の果物や梅、牛乳、蜂蜜などを適当に食べる 麦門冬、生地黄、六味丸、杞菊地黄丸、天王補心丹など
気滞(イライラタイプ) イライラ、不安感、ため息をつく、胸やお腹の張りや痛み ストレス、緊張の持続、自律神経の失調 趣味を持ちストレスをためない、香りの良い紫蘇、春菊などを適当に食べる 柴胡、香附子、逍遥散、開気丸、柴胡加竜骨牡蛎湯など

痰湿(ため込みタイプ)

肥満、頭が重い、体が重い、胸のつかえ、口の中が粘る 飲み過ぎ、食べ過ぎ、新陳代謝の失調 運動をして汗をかく、食べ過ぎ飲みすぎを気をつける、繊維の多い食べ物を多く食べる 山査子、半夏、温胆湯、 大柴胡湯、廣禅顆粒など
 
 
最後に血チェック表を載せます。血度のチェックポイントの高い方は、血液サラサラ総合療法を実践することをお薦めします。
資料提供:日本中医薬研究会



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