不安神経症の症例
 Kさんは33歳の女性です。2年前に人間関係などでいろいろ悩みがあり、徐々にうつ気味になってなってしまいました。時々自分がわからなくなりパニック状態になることがあり不安感が強くなってきました。1年前に病院を受診したところ不安神経症といわれ抗不安薬と抗うつ薬を処方されました。服用すると多少は良いようですが、やはり不安感は変わりなく眠りも浅く夢を多く見ます。
 疲れやすくて食欲もあまりなく、口の渇きを感じます。手足は冷え、冷たいものや脂っこいものを食べると下痢になりやすいです。生理前とくにイライラして症状が悪化します。舌はやや赤く舌苔はやや少ないです。不安感の改善と体質を丈夫にすることを希望して来店されました。
 Kさんの症状は寒熱が入り混じって複雑ですが、疲れやすく口が渇き眠りが浅いことなどより心の気陰が不足していることがわかります。このために心神が不安定となり、不安感が強く自分がわからなくなるような発作がおきるのだと思われます。心の気陰が不足した原因は、腹部の冷えにより消化が悪くなっていることが考えられます。一方ストレスのため肝気が滞り熱を持ち生理前のイライラや口の渇き、舌の赤みなどがおきていると思われます。
 このような複雑な症状を改善するために温める薬と冷やす薬を配合する必要があります。そこでKさんには腹部を温め肝気のめぐりを改善して肝熱を冷ます柴胡桂枝干姜湯心の気陰を補い体力をつける麦味散を併用してもらうことにしました。
 経過ですが、約半月の服用で食欲が改善して寝つきも良くなってきました。その後3ヶ月の服用で冷えや不安感なども徐々に改善してきました。その後も天気などで症状が変化しますが、大分体調も良くなり日常生活は問題なくなりました。

考察: ストレス社会といわれる現代は神経症の方が増えています。西洋医学では安定剤や抗うつ剤などしかなく副作用も多いため、漢方薬の効果が注目されています。漢方医学では心身一如といわれ、神経症に対して様々な治療法が考えられてきました。Kさんは柴胡桂枝干姜湯と麦味参の併用が効果的でしたが、個々の体質や症状により漢方薬が異なることがあります。



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