子宮内膜症の症例
 Mさんは24歳の女性です。3年前より生理痛がひどくなり、婦人科を受診したところ子宮内膜症による卵巣嚢腫と診断され左の卵巣を3/4切除しました。手術後も生理痛はよくならず、現在も生理1日目〜3日目にかけて手術した左下腹部を中心に刺すように痛みます。また疲れやすく冷え性もひどいため体質改善を希望して来店しました。生理周期は28日で安定していますが、生理時の出血がやや多くレバー状の塊が気になります。以前は貧血を指摘されたことがあったが特に薬は服用していないそうです。ストレスも特になく食欲、便通も順調です。舌の色はやや暗く、舌裏静脈が紫に怒張しています。
 中国漢方では生理痛は痛みの性質や痛む時期によって弁証しています。痛みの性質から見ると、刺すような痛み淤血張るような痛み気滞しくしくする痛み虚証と考えます。痛みの時期から見ると、生理前から生理初期の痛みは実証、生理後期から生理後の痛みは虚証と考えます。Mさんは子宮内膜症があり、刺すような痛みや生理時のレバー状の塊、舌の色や舌裏静脈の怒張など典型的な淤血の証が見られます。一方で疲れやすく貧血気味ということは体質的に虚証であることもわかります。
 そこで治療としては淤血を改善して痛みを改善する折衝飲気血を補い冷え性を改善する婦宝当帰膠をあわせて服用してもらうことにしました。
 経過ですが、来店から20日後に生理が来ましたが、だいぶ痛みが楽になりました。さらに次の生理のときは痛みが軽くなり、その後も順調に経過しています。

考察: 子宮内膜症には漢方薬が大変有効です。子宮内膜症は冷えや血が原因になることが多く、長引くと気血の不足や腎虚のような虚証が見られることもあります。Mさんは冷えと血、気血の不足に対して折衝飲と婦宝当帰膠の併用が大変有効でしたが、個々の体質や症状により漢方薬が異なることがあります。



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