今回は血管新生阻害によるがんの兵糧攻めについてお話します。近年がんの休眠療法という方法が注目されています。がんが悪性腫瘍といわれる理由は、無限に増殖して転移するからです。もし転移せずに大きくもならなければ、がんは休眠していわゆる良性腫瘍(ポリープ)と同じであると考えられます。がんを休眠させる方法としていくつかの方法が言われていますが、がんに栄養を与える血管(新生血管)を阻害して、栄養を遮断する方法が有力な方法と考えられています。つまりがんの栄養源を断ち兵糧攻めにする方法です。
現在、血管新生阻害作用を持つものとして鮫軟骨が有名ですが、成人の1日の服用量が50g〜100gと非常に多く、また特有のにおいのため胃腸障害がおきやすく、十分な効果が得られないことがよくみられました。
最近ニュージーランド国立オタゴ大学により開発された鮫抽出脂質(さめちゅうしゅつししつ)は血管新生を強力にブロックし成長を抑えることが様々な実験で証明され、2001年12月に世界120ヶ国に対して特許申請が行われました。鮫抽出脂質は従来のアメリカの鮫軟骨末に比べた場合、血管新生抑制作用において試験管内で約100倍、生体内で約30倍の作用があることが証明されております。このことは実際に服用するに当って30分の1の量で良いということを意味しています。
鮫抽出脂質は口からの服用で体内に吸収がよく、また脳血液関門も通過するため全身の腫瘍に効果が期待できると考えられております。また、鮫抽出脂質は血管新生阻害作用のほかに強力な鎮痛作用があり、末期がんの痛みやリウマチなどの関節痛にも一定の効果が期待できます。
血管新生を抑えることは固形がんに対して有効です。固形がんが2〜3mm以上になると、血管を新生して栄養を引き込もうとします。よって血管新生を抑えることはがんを兵糧攻めにする大切な手段になります。だだし血液がんにはあまり効果がありません。
|
|